軽度の高コレステロール血症の男性における食物繊維源としてのプルーン摂取
『American Journal of Clinical Nutrition(米国臨床栄養学雑誌)』53 (1991): 1259-65
Tinker, L.F., Schneeman, B.O., Davis, P.A., Gallaher, D.G. and Waggoner, C.R.

軽度から中等度の高コレステロール血症の男性において、プルーンに含まれる食物繊維が血漿コレステロール値を低下させることができるという仮説を検証しました。プルーン100g中には食物繊維が5〜7gほど含まれていて、その約60%がペクチンです。水溶性食物繊維の一種として、ペクチンが高コレステロール血症患者の血清コレステロール値を下げることはすでに示されています。以前のリサーチでは、ペクチンを含む食品ではなく精製したペクチンを使用しました。今回のリサーチでは、ペクチンを含む未精製の食品を使い、血中コレステロール値を低下させる力を調べました。また、プルーンに含まれる食物繊維が胆汁酸の便中排出量を増加させ、これがコレステロール低下作用の説明となるという仮説についても検討しました。生体外と生体内の実験で、食物繊維が胆汁酸を吸収することはすでに示されていました。

今回の8週間にわたる試験には、軽度の高コレステロール血症(5.2〜7.5mmol/L)の成人男性41人が通常の生活をしながら参加し、被験者自身を対照とするクロスオーバー試験をおこないました。8週間の試験期間を4週間ずつ2つの試験食期間に分けました。被験者をフルーツジュース補充食とプルーン補充食に無作為に割り付けました。プルーン補充期間には、通常の食事にプルーン12個(100g、食物繊維6g)を加えました。対照期間となるプルーンジュース補充期間には、プルーンと同等の単炭水化物を含みながら食物繊維はほとんど含まない対照として360mLのプルーンジュースを通常の食事に加えました。その結果、プルーン補充期間後(3.9mmol/L)のほうがプルーンジュース補充期間後(4.1mmol/L)と比べて血漿LDLコレステロール値が有意に低下しました。胆汁酸の一種リトコール酸の便中排出量は、プルーン補充期間後のほうが有意に減少しました。便の湿重量と乾燥重量は、プルーン補充期間後とプルーンジュース補充期間後の両方で上昇しました。2つの試験期間の間で総胆汁酸量に有意差はありませんでした。

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